大手格付け会社ムーディーズは16日、米国の発行体格付けの引き下げを公表しました。過去の格下げ時の経験から、今回も市場では通貨安、債券安、株安のトリプル安を警戒する声が出ています。歴史は繰り返すといいますが、さて、今回はどうでしょうか?
ひとつ、頭を冷やして考えましょう。まず、米国格下げですが、これは何も今に始ったことではありません。2011年のS&P、2023年のフィッチが既にAAAからの格下げを実施済です。それから、格下げによる米国の信用低下ですが、これもトランプさんのチャランポランな関税政策のせいで海外投資家の信用はとっくに失っています。また、格下げで米国債券が売られれば、トランプさんが最も気にしている長期金利が上がってしまいます。そうなれば例のトランププットが発動され、株価の下支えが期待できます。
このように考えてくると、一瞬トリプル安があったとしても長続きはしないのではないかと思えてきます。実際、現在の為替の水準は1ドル=145円程度とやや円高に振れていますが、パニック的な動きにはなっていません。
【株】米国格下げとな?
