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株式

【株】デュポン・システム~労働者のための収益獲得力増強策~

デュポン・システム(デュポン分析)をご存じでしょうか。デュポン・システムは企業のROE(自己資本利益率)を3つの要素に分解することで、ROEの増減要因を特定したり、同業他社との比較分析や経営戦略の改善策を立案することに使われます。具体的には、以下の式のようにROEを3要素に分解するところから始ります。

ここで、①は売上高純利益率で、企業の売上げに占める利幅の厚さ=収益性を表します。この数値が高いほど高収益企業となります。②は総資産回転率で、企業が保有する資産をどれだけ有効活用しているか=効率性を表します。③は財務レバレッジで、総資産が自己資本の何倍あるか、他人資本をいかに上手く活用しているかを表します。ただ、この数値が高ければいいというものではなく、財務の健全性を失わない程度であることが求められます。

このようにデュポン・システムはもともと企業の財務状況を分析するためのツールですが、①~③の要素の改善を図ることで、逆に企業のROEの向上を図る方策を探ることにも使えます。ならば、このデュポン・システムを労働者という一人の人間に当てはめたら、労働者の収益獲得力を増強するための方策が見えてくるのではないか。今回はそんな視点でデュポン・システムを見つめ直してみたいと思います。

まず、①の売上高純利益率の改善です。これを労働者に当てはめると、収益力アップ=単位時間当たり賃金の引き上げに相当します。そのためには、ノウハウやスキルを習得し、経験を積むことが必要です。そのうえで、社内での昇格や高待遇の他社への転職を目指すことになります。
次に②の総資産回転率の改善です。これを労働者に当てはめると、どうなるか。労働者の体は一つしかありません。日中、労働者は会社へ行って働いていますが、もしその時間帯に他人にも働いてもらうことができれば、2倍、3倍の収益が獲得できるかも知れません。でも、そんなことができるのでしょうか? 資産運用という手法を使えば可能となります。例えば株式投資をすれば、労働者が会社で働いている間、投資先企業の経営者や従業員は株主である労働者に代わって働いてくれます。労働者は株式投資(不動産投資でも構いません)を通じ、資産効率=資産回転率のアップを図ることができます。
最後は③の財務レバレッジの改善です。これは銀行から借り入れをして総資産を膨らませることで実現できますが、労働者が銀行から多額のお金を借りるのは不動産ローンを除くと困難です。なので、労働者が財務レバレッジを高めるには、アパートローンを借りて不動産に投資することが近道です。もっとも、収益力のある物件に投資し、かつ好条件でローンを借りられることが前提となります。

以上のように、自身のスキル・経験に磨きをかけて高い賃金を獲得し、賃金の一部を株式等に投資するとともに、ローンを借りてレバレッジを利かせ不動産に投資する。これがデュポン・システムが示唆する、労働者の収益獲得力を増強するための最強の方策となります。

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保険

【保】治験というもの

今回は長田昭二さん著:末期がん「おひとりさま」でも大丈夫、を取り上げたいと思います。といっても、毎度の私の拙い書評ではなく、本書を読んで私が衝撃を受けたあるトピックスについてお話します。長田さんはフリージャーナリストとして、文藝春秋や週刊文春などで医療記事を中心に執筆されています。そして、2020年に前立腺がんが発覚し、現在「ステージ4」で闘病中とのことです。本書はそんな長田さんがご自身の経験から、がんが発覚するまでの流れ、がんにかかったら体にどんな変化が生じるのか、その時々でどんな検査や治療が用意されているのか、その医療行為にはどんな副作用や合併症があるのか、がんの治療にはどれくらいのお金がかかるのかといったことを、医療ジャーナリストとして包み隠さず書き残しておくために執筆したものです。がんは今や日本人の2人に1人がかかり、3人に1人が亡くなる病です。自分自身や家族が将来がんになったときに慌てないように、多くの方に本書を手に取っていただきたいと思います。

ところで、本書を読んで私が衝撃を受けたトピックスとは何か。それは治験に関する事実です。「治験」のワードをネットで検索すると、「治験とは、新しい薬や治療法が実際に人に対して効果があるか、また安全に使用できるかを調べるための臨床実験のこと」とあります。まあ、ふつうそういう理解ですよね。では、次に本書に書いてある衝撃的な部分です。「……治験というものは『新しい治療』と『対象群(プラセボ=偽薬)』の治療成績を比較検討することで治療効果を判定する。どちらのグループに入るかは”くじ引き”で決められる。もし自分がプラセボ群に入った場合、新しい治療の恩恵に浴することはできない。」「しかも治験の正当性を保たせる目的から『二重盲検』といって、患者(と医師)は、そのどちらのグループに入っているのかを知ることができない。」

いかがですか。私はこの部分を読んだとき、ショックを受けました。治験といえば通常の治療では治癒困難な患者さんが、最後の1%の確率に命を託して先進的な治療にチャレンジするものと思っていました。しかし、実際は治験に取り組む患者さんの一定割合の方は、偽物の薬を新薬と信じ込まされて投与されるわけです。そして、そのことを担当の医師も知らない。何と理不尽なことでしょう。人間の命の最後の一瞬を、偽物の薬に捧げることになるとは。何という茶番。確かに、治験に参加する患者さんやご家族は、事前にこのあたりの事情は十分承知されてのことでしょう。それにしても、治癒困難者の最後の望みを逆手に取った治験というシステムの何と残酷なことか。治験はあくまで実験。治療とは違うということなのでしょうが……。



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閑話休題

【閑】心の均衡を保つために

ひょっとすると、私は心の振れ幅が人より大きいのかもしれません。それもプラス方向に大きく傾いている気がします。昔から一人で勝手にハイになって友人に迷惑がられたり、そんなときに限って仕事でミスをしたりしました。今気になっているのは、私が株に投資する際、ハイな心理状態のせいで必要以上にリスクを取っているのではないかということです。とにかくイケイケなんです。キャッシュがあれば、一刻も早く株を買わないと気が済みません。そして、株を買ってしまえば心が落ち着くんです。後で相場が暴落しようと、out of ganchu(眼中)です。

これではいけないと思い、日頃お世話になっているヘルパーさんに相談しました。で、来ていただいたのがこちらの先生方です。先生方は今私の目の前で、私に猛烈な殺意の眼差しを向けていらっしゃいます。

では、ご紹介しましょう。右から向かってスズメバチ先生、サソリ先生、カマキリ先生です。(そして何故かスタローン先生。彼は娘のNY土産です。エイドリア~ン!) 先生方のネガティブな視線が私の熱くなりがちな心を冷ましてくれます。かつて、私はこれほどの悪意を感じたことがありません。今朝も先生方の「テメェ舞い上がってんじゃネーよ ぶっ殺してやる!」というお叱りの声で目が覚めました。

先生方に我が家にお越し頂いてから、ようやく私も心の均衡を取り戻し人並みの生活ができるようになったのです。

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年金

【年】専業主婦の株式売却益と被扶養者要件

日経平均が再び元気を取り戻し、43,000円の大台に乗ってきました。株式投資を手がける専業主婦の方の中には、早々に利確し結構な売却益を手にした方もいらっしゃることと思います。大変結構なことなのですが、儲かったら儲かったで気を付けなければいけないこともあります。株式の売却益と税金や社会保険料との関係です。

まず、所得税との関係です。確定申告において、被扶養者である専業主婦が株式売却益や配当等を申告した場合、それら以外の所得と合わせて合計所得金額が48万円を超えると、専業主婦は扶養からはずれ(=扶養控除を受けられない)世帯主の税金が増加することとなります。また、専業主婦自身に所得税が課税される可能性もあります。なお、配偶者控除については、合計所得金額が95万円以下であれば、配偶者(特別)控除として世帯主の所得から38万円を控除できます。(世帯主の取得が900万円以下のとき)
つまり、専業主婦の株式売却益が扶養控除に影響するのは、あくまで確定申告した場合。したがって、源泉徴収ありの特定口座を使い申告不要を選べば、所得税(住民税)の扶養控除への影響を回避することができます。

次に、扶養とは関係ありませんが、個人事業主やフリーランスが加入する国民健康保険(国保)の保険料への影響です。国保の保険料は前年の総所得金額等をもとに市町村ごとに算出されるため、確定申告で株式売却益や配当等を申告した場合は、翌年の国保の保険料は増加することになります。なので、源泉徴収ありの特定口座を使い申告不要を選べば、国保保険料への影響はありません。

最後に、会社員が加入する健康保険組合(健保、公務員の場合は共済組合)への影響です。健保では専業主婦に恒常的な収入が130万円以上(60歳以上、または障害年金受給者は180万円以上)ある場合、被扶養者の枠を外れることとなっていますが、この”恒常的な収入”のワードが曲者です。恒常的な収入が具体的に何を指すか、法的な定めはありません。各健保が自分のところの規約で勝手に決めているのが実状です。ある健保では、「株式等を保有し続けている場合、取引回数に関係なく(年間で1回だけでも)恒常的収入とみなす」旨、規約に謳っています。そして、この取り扱いは確定申告を行っている/行っていない、に関わらず適用されます。こうなると、源泉徴収ありの特定口座を使い申告不要を選択しても、株式の売却益が130万円以上となると専業主婦は被扶養者を外れることになってしまいます。
ただ、健保サイドがどうやって被扶養者の譲渡収入=売却益を確認するかというと、被扶養者が提出する年間取引報告書に依っているようなんです。ならば、被扶養者が取引報告書を提出しなければ、健保も知りようがないと思うのですが……。

これらの事情もあってか、実務上は「協会けんぽ」も「組合健保」も、特定口座(源泉あり)内での株式売却益や上場株式の配当について申告不要を選択した場合、年間収入に入らないと解釈しているところが多いようです。つまり、被扶養者から外れないということです。

以上、所得税、国民健康保険、健康保険組合の各制度への専業主婦の株式売却益の影響について見てきましたが、源泉徴収ありの特定口座を使って申告不要を選択すれば、いずれも影響はない。これが結論となります。ヤレヤレ。




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株式

【株】ある投稿に関する考察

最近、Xに次のような投稿がありました。「インデックス投資家も高配当株投資家も自己投資した自分を信じられなくなった末路やからね」「どっちもおじさんとおばさんの世界やで」「若者は自分に投資して自分と心中した方がええよ」

今回はこの投稿に対し、ひとりのおじさん(おじいさんか?)の意見を聞いてほしいと思います。まず、最初にビジネスの世界は株式市場と同じく、極めて予測不能で理不尽である点を強調しておきたいです。頑張った者は報われるというナイーブな世界ではないのです。あるときはズル賢く悪知恵の働く者が勝つ世界。あるときは政治力に秀でた者が勝つ世界。そんな混沌とした世界で、私たちはどのようにして生き残っていけばいいのか。まずできることは、リスクの分散です。具体的には、収入を労働にのみ依存せず、投資からも得られるようにしておくこと。しかし、人間に与えられた時間は24時間しかありません。その時間内に労働と投資の両方をこなし続けるのはしんどいです。そこで出てくるのが、投資について外部にアウトソースする考え方。できればコストも抑えたい。そんなわがままなニーズをかなえてくれるのが、インデックス投資となります。また、外部委託せず自分で株式の銘柄を選びたいという方には、高配当株投資という手もあります。ここで注意頂きたいのは、インデックス投資も高配当株投資も、自己投資した結果を発揮すべく労働に十分な時間を割くために行っているという点です。何も、自己投資した自分を信じられなくなったからではありません。

さて、ここでもう一度言わせて下さい。ビジネスの世界は予測不能で理不尽です。頑張ったものが報われる保証はありません。成功するには実力以上に運が必要となります。そんなビジネスの世界で「自分に投資して自分と心中する」行為は、投資でいうところの集中投資に似て、非常にハイリスクです。当たれば大金持ち、外れたら自己破産。丁半博打と同じです。「若者は自分に投資して自分と心中した方がええ」とこの投稿者はいいますが、本当に心中するはめになっても責任は取ってくれません。
自分の身は自分で守るもの。そのときの武器がリスク分散です。若者は自分に投資し、自分を信じてビジネスに注力するのはいいでしょう。しかし、ビジネス以外に収入の道を設け、ビジネスで失敗しても路頭に迷うことのないよう、事前に手を打っておくことが賢明です。インデックス投資や高配当株投資は、そのための有効なツールとなります。

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不動産

【不】就職早々に「億ション」購入?

8月6日付け日経新聞のコラムYOU FINANCEは「就職早々に億ション購入」と題して、就職して直ぐに住宅を購入する最近の若者の動向を伝えています。すでにこのコラムはあちこちのブログで取り上げられていますが、由々しき問題を含んでおり若者に注意を促す意味で、敢えて当ブログでも取り上げたいと思います。

冒頭、コラムは入社2年目に1億円超のマンションを買った金融機関に勤める20代の男性を紹介します。この男性は「マンションの家賃が高くてもったいない。思い切って購入した」とのこと。当コラムは、投資が目的でなく、家賃が高騰し賃料を払うくらいならマンションを買って住む方が節約になる、との考えからだと説明します。三井住友トラスト・資産のミライ研究所の調査では、20代の抱える負債残高は24年に1250万円と、1990年の10倍超に膨らんでいます。内訳は「住宅・土地のため」が最多。背景には不動産価格が上がり続けることへの若者の恐怖があるとのことです。

次に、「不動産価格が高騰している。結婚して同居できる広さの部屋を早めに確保したかった」と、銀行から融資を受けて都内に1LDKのマンションを購入した20代の女性会社員を紹介しています。そして、不動産開発のプロパティエージェントの営業担当者の話として、「20代女性からの引き合いが特に強い」とのこと。
最後に当コラムは、「不動産経済研究所によると、91年度に6000万円を超えていた首都圏のマンション平均価格は、10年後に約4000万円まで下がった。早くから自宅を持つことは安定した生活につながる一方、若者の動きには危うさも潜む。」と結んでいます。煽るだけ煽っといて、いったいお前はどっちやねん!と突っ込みたいところです。

さて、このコラムの何が問題なのでしょうか。ひとつには、社会の公器であるべき新聞が、不動産業者に肩入れするような不適切な記事を書いていることです。不動産市場の全体を見ずに一面にのみ焦点をあてているため、非常にミスリーディングな内容になっています。実際は、マンションの賃料が高騰しているのは都心の一部地域に限られますし、賃貸マンション市場は全国的に供給過剰で飽和状態となっていて、将来的に賃料が高騰し続けるリスクは一部地域を除いて低いです。にもかかわらず、当コラムを読んだ若手会社員は将来的な賃料上昇に危機感を抱き、一刻も早く住宅を購入しなければという脅迫感に苛まれることになるでしょう。

さらに問題なのが、このコラムの「早くから自宅を持つことは安定した生活につながる」のくだりです。数千万円を40年ローンで借りたら、完済するのは60歳を超えてからです。終身雇用がスタンダードだった昭和と、令和の今とでは時代が違います。労働市場の流動性は上がり、入社早々の転職も日常茶飯事です。また、サラリーマンとフリーランスを行ったり来たりするライフスタイルも一般的になるでしょう。そんな時代に、40年もの間ローンに拘束され、銀行に支配される人生が何で安定した人生なのか。転職が希望通りにいかないこともあるでしょう。フリーランスになって収入が減ってしまうかもしれません。しかし、銀行はそんな事情はお構いなしに、計画通りの返済を求めてきます。超長期のローンを借りて自宅を持つことが、安定した生活につながるなんてことはありません。資産サイドの労働のデュレーションが短期化したならば、負債サイドのデュレーションも短期化するのが、私たち投資家目線でいえば常識というもの。超長期のローンの借入れを助長するような当コラムのこの表現は妥当性を欠いており、速やかに訂正すべきと考えます。

若者の皆さん、悪いことは言いません。住まいは賃貸マンションがお薦めです。賃貸ならライフスタイルに合わせ、自由気ままに住み替えが可能です。確かに、賃料は割高かもしれませんが、賃借人が自由に契約を終了できるプットオプションのプレミアム込みだと考えれば納得もいくのではないでしょうか。
もし、私が大手企業の若手社員なら、低廉な賃貸マンションに住みながら、高属性をいかしてローンを目一杯借ります。ただし、それは住宅ローンではなく、投資用不動産を購入するためのアパートローンです。レバレッジを最大限に利かせて不動産に投資する一方、給料はNISA/iDeCoの非課税枠にフルに投入して、株式投資の複利効果を最大限活用します。不動産と株式の2馬力で資産形成に努めることでしょう。

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ライフプラン

【ラ】参議院選挙とFIRE

7月30日付けのPRESIDENT Onlineで文筆家の御田寺圭さんは、今回の参議院選挙での参政党の躍進について次のように述べています。「支持層の半数近くが女性であることに驚きが持たれているが、偶然ではない。家庭に入って家事や育児を頑張りたいと思っている女性たちの支持を集めたのではないか。」

引き続き、参政党の躍進に関する御田寺圭さんの見立てです。「子供を産む産まないは個人の自由であるというのはその通りだし、これからも変わらないだろう。しかし、『産む女性』の社会的な尊敬の度合いは急激に上昇し、『産まない女性』のそれを大幅に上回るフェーズが向こう十数年において待ったなしに始る。」「日本の出生数はご存じの通り年々激減していて、それは『社会保障の担い手』の減少を共起している。」「敢えて『産まない』を選択した女性は、今でこそ先進的で精錬された”あるべき女性”の生き方として称賛されているが、そのムードは徐々に陰りを見せていく。」「彼女たちは『稼ぎは自己投資や自己利益のために最大限使い切って、年をとったら産んだ女性の子や孫にカネやリソースをたかって悠々自適な老後を送る気満々の人』という眼差しを向けられる。」「世の中では子育て世帯の女性を中心に『なんで産んだ側の私たち(の子や孫世代)が、産んでいない側の人たちの老後を面倒みないといけないの?』という不満を持ち始めている。」 「参政党はここにある種の”鉱脈”が有ることに気付いていた。」

私は政治の素人なので、御田寺圭さんの見立ての当否を語る資格はありませんが、これらのコメントを読んで気付いたことがあります。それは、産まない女性とFIREをした人には共通点があるということです。産まない女性は将来の社会保障を担う子供を産む負担は無視しながら、一方で老後の社会保障はちゃっかり受取ろうという姿勢が批判の的になっています。産まない女性は、社会保障制度のフリーライダーだというわけです。そして、同様の図式がFIREをした人にも言えるのではないか。FIREを達成したら、労働の一線から身を引く。自ら付加価値を生まず、霞を食べて生きる仙人のように生きる。総合課税の対象となる給与所得や雑所得を基本ゼロとし、分離課税の配当所得で生計を賄い、住民税非課税世帯を目指す。それにより、国民健康保険や介護保険、住民税の負担を極小化する。一方、老後の医療・介護等の社会保障の給付は人並みに受取ることを目指します。これがFIREを達成した人の基本戦略でしょう。産まない女性と同様、社会保障制度のフリーライダーだと目される可能性は十分です。

目下のところFIRE達成者に対する上記のような批判の声をきくことはありません。しかし、産まない女性への批判の高まりに連れ、FIRE達成者への批判の声も顕在化するかも知れません。世間の動勢に注意していきたいと思います。

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株式

【株】逆ドルコスト平均法

ドル・コスト平均法とは、株式などの価格が変動する商品に対して「常に一定金額を定期的に」購入する方法のことをいいます。投資金額を一定にすることで、価格が低いときには購入量(口数)を多く、価格が高いときには購入量(口数)を少なくすることとなり、商品の購入を機械的かつ効率的に行うことができます。今、定期購入する株式の価格をp、購入量をqとすると、ドルコスト平均法での株式の購入は、pq=k(一定)と表現できます。例えば、毎月の定期購入額をk=20,000円と設定した場合、p=100円の月はq=200単位、p=400円の月はq=50単位購入することになります。価格が低い月は購入量を多く、価格が高い月には購入量を少なくする調整機能が発揮されています。と、ここまではどの投資本にも書かれている内容ですが、当ブログではもう一歩踏み込みたいところです。

株式等を機械的かつ効率的に売却するにはどうすればいいのか。うまくドル・コスト平均法を応用できないものか、考えてみましょう。具体的には、ドル・コスト平均法とは逆に、価格pが低い月には売却量qを少なく、価格が高い月には売却量を多くできればいいわけです。これは、例えばq/p=k(一定)を満たすように、p、qを決めれば実現できます。仮にk=10と設定したとします。p=100円の月はq=1000単位を売却、p=400円の月はq=4000単位を売却するイメージです。これなら、価格が低い月は売却量を少なく、価格が高い月には売却量を多くすることができます。ただ、注意しなければいけない点があります。購入のときと違い、売却では価格pがどんどん上昇していくと、売却量qも青天井で多くなっていきます。結果、予定以上の株式を売却してしまう危険性があるのです。このリスクを回避するためには、予め1回あたりの売却量に上限を決めておく必要があります。例えば、q/p=10(q≦5000)みたいな感じです。

目下、政府はシニア層の資産取崩しニーズに応えようと、「プレミアムNISA」の創設に動いていますが、今回検討した逆ドル・コスト平均法を使えば特別な商品や仕組みがなくても、機械的かつ効率的に資産の取崩しができると思います。

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閑話休題

【閑】高速道路で足をつる

昨年私は60歳になったのを機に、65歳になるまでに日本100名山のうち50の山に登ることを皆さんにコミットしました(ヘタレの中期経営計画)。 その時点で私が登頂済の山は28座。残る22座を5年間で登る必要があります。しかし、昨年は夏から秋にかけ週末の悪天候が続いたり、私の体調不良があったりと、結果的に未登頂の百名山に一つも登ることができませんでした。そのため、今年は何としても5座以上の百名山に登りたいと思っています。

手始めに、6月18日に奥秩父の瑞牆山(2,230m)に登ってきました。みずがき山自然公園をスタートし、不動滝⇒瑞牆山⇒富士見平小屋⇒みずがき山自然公園、と周回するコースです。標高差950m、コースタイム6時間、距離は10km。ネットや書籍では初級者コースとして紹介されていますが、実際はどうだったでしょうか。

瑞牆山山頂へは富士見平小屋から直接登るルートもありますが、こちらは途中でロープや鎖を使って大きな岩をいくつもよじ登る必要があり、三点確保程度のクライミングの基礎はあった方が安全です。それに比べ不動滝ルートは岩場の通過が少なく、難易度は低くなっています。私は不動滝ルートを登り、瑞牆山直登ルートで下山しましたが、直登ルートの大きな岩を下る際は結構気を使いました。ロープや鎖は登りには有効ですが、下りには余り役に立ちません。私はロープや鎖をあてにせず、後ろ向きになってお尻で岩を滑るように下りました。岩といっても岩壁を登るクライミングではありませんので、落ちても死ぬようなことはありません。ただ、ひどい擦り傷を負ったり、足首を捻挫する危険性はありますので、慎重さが求められます。

今回、瑞牆山に登って感じたのは、初級者コースだと思って舐めてかかると痛い目に合うということです。特別なクライミング技術はいりませんが、三点確保は身につけてから行った方が無難でしょう。それから直登ルートを下るときは、想像以上に足に負荷がかかります。健脚の持ち主には要らぬお世話ですが、たまにしか山に行かない私のような者が、直登ルートを下ると足をつる可能性が高いです。ちなみに、私は自宅に帰る途中、中央道を走行中に、いきなり両足をつりました。余りの痛さでアクセルもブレーキも踏めません。しかし、アクセルを踏まないと、車はエンジンブレーキがかかって徐々に減速します。次のPAはまだまだ先です。私はなるべく足に力がかからないように足先を伸ばしながら、アクセルペダルを指先でタッチするようにして、何とか車のスピードを維持しました。そうこうしているうち、なんとか無事PAに滑り込むことができて事なきを得ましたが、一時はパニック寸前、冷や汗たらたらでした。

下山後、高速道路を走行中の足のつり。今まで経験したことのない、想定外のヒヤリハットでした。

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株式

【株】たまにはチャートでも~最近の相場の傾向と対策~

たまにはチャートでも見ながら相場の話をしましょうか。といっても、私はチャーチストではないので、テクニカル分析をしての相場予測などは致しません。あくまで、事実としての相場の軌跡をチャートで確認するだけです。

これは2022年1月から直近までの日経平均株価の日足です。①は2024年8月5日の大暴落、②は2025年4月7日のトランプショックです。このチャートから確認できるのは、(ア)2024年7月31日の日銀利上げ以降、毎年20%前後の急落が起こっているが、(イ)二番底を付けることなく、(ウ)急速に値を戻していることです。

(ア)~(ウ)から言えることですが、
(A)相場が底を打ってから買おうと思っても手遅れ。買いたいと思ったら落ちるナイフを掴む覚悟がいる。
(B)暴落だとパニックになって損切りすると、そこが底値だったりする。
(C)相場が下がって安易にショートを振ると、手痛く踏まされる。

確かにVIX指数は10%台に落ち着いてきましたが、まだまだ物騒な相場が続いています。こんなときは、超長期のほったらかし投資に徹するのが一番です。さもなくば、超短期のトレードにとどめ、ポジションは日計りで決済すること。オーバーナイトは危険です。