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不動産

【不】就職早々に「億ション」購入?

8月6日付け日経新聞のコラムYOU FINANCEは「就職早々に億ション購入」と題して、就職して直ぐに住宅を購入する最近の若者の動向を伝えています。すでにこのコラムはあちこちのブログで取り上げられていますが、由々しき問題を含んでおり若者に注意を促す意味で、敢えて当ブログでも取り上げたいと思います。

冒頭、コラムは入社2年目に1億円超のマンションを買った金融機関に勤める20代の男性を紹介します。この男性は「マンションの家賃が高くてもったいない。思い切って購入した」とのこと。当コラムは、投資が目的でなく、家賃が高騰し賃料を払うくらいならマンションを買って住む方が節約になる、との考えからだと説明します。三井住友トラスト・資産のミライ研究所の調査では、20代の抱える負債残高は24年に1250万円と、1990年の10倍超に膨らんでいます。内訳は「住宅・土地のため」が最多。背景には不動産価格が上がり続けることへの若者の恐怖があるとのことです。

次に、「不動産価格が高騰している。結婚して同居できる広さの部屋を早めに確保したかった」と、銀行から融資を受けて都内に1LDKのマンションを購入した20代の女性会社員を紹介しています。そして、不動産開発のプロパティエージェントの営業担当者の話として、「20代女性からの引き合いが特に強い」とのこと。
最後に当コラムは、「不動産経済研究所によると、91年度に6000万円を超えていた首都圏のマンション平均価格は、10年後に約4000万円まで下がった。早くから自宅を持つことは安定した生活につながる一方、若者の動きには危うさも潜む。」と結んでいます。煽るだけ煽っといて、いったいお前はどっちやねん!と突っ込みたいところです。

さて、このコラムの何が問題なのでしょうか。ひとつには、社会の公器であるべき新聞が、不動産業者に肩入れするような不適切な記事を書いていることです。不動産市場の全体を見ずに一面にのみ焦点をあてているため、非常にミスリーディングな内容になっています。実際は、マンションの賃料が高騰しているのは都心の一部地域に限られますし、賃貸マンション市場は全国的に供給過剰で飽和状態となっていて、将来的に賃料が高騰し続けるリスクは一部地域を除いて低いです。にもかかわらず、当コラムを読んだ若手会社員は将来的な賃料上昇に危機感を抱き、一刻も早く住宅を購入しなければという脅迫感に苛まれることになるでしょう。

さらに問題なのが、このコラムの「早くから自宅を持つことは安定した生活につながる」のくだりです。数千万円を40年ローンで借りたら、完済するのは60歳を超えてからです。終身雇用がスタンダードだった昭和と、令和の今とでは時代が違います。労働市場の流動性は上がり、入社早々の転職も日常茶飯事です。また、サラリーマンとフリーランスを行ったり来たりするライフスタイルも一般的になるでしょう。そんな時代に、40年もの間ローンに拘束され、銀行に支配される人生が何で安定した人生なのか。転職が希望通りにいかないこともあるでしょう。フリーランスになって収入が減ってしまうかもしれません。しかし、銀行はそんな事情はお構いなしに、計画通りの返済を求めてきます。超長期のローンを借りて自宅を持つことが、安定した生活につながるなんてことはありません。資産サイドの労働のデュレーションが短期化したならば、負債サイドのデュレーションも短期化するのが、私たち投資家目線でいえば常識というもの。超長期のローンの借入れを助長するような当コラムのこの表現は妥当性を欠いており、速やかに訂正すべきと考えます。

若者の皆さん、悪いことは言いません。住まいは賃貸マンションがお薦めです。賃貸ならライフスタイルに合わせ、自由気ままに住み替えが可能です。確かに、賃料は割高かもしれませんが、賃借人が自由に契約を終了できるプットオプションのプレミアム込みだと考えれば納得もいくのではないでしょうか。
もし、私が大手企業の若手社員なら、低廉な賃貸マンションに住みながら、高属性をいかしてローンを目一杯借ります。ただし、それは住宅ローンではなく、投資用不動産を購入するためのアパートローンです。レバレッジを最大限に利かせて不動産に投資する一方、給料はNISA/iDeCoの非課税枠にフルに投入して、株式投資の複利効果を最大限活用します。不動産と株式の2馬力で資産形成に努めることでしょう。

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ライフプラン

【ラ】参議院選挙とFIRE

7月30日付けのPRESIDENT Onlineで文筆家の御田寺圭さんは、今回の参議院選挙での参政党の躍進について次のように述べています。「支持層の半数近くが女性であることに驚きが持たれているが、偶然ではない。家庭に入って家事や育児を頑張りたいと思っている女性たちの支持を集めたのではないか。」

引き続き、参政党の躍進に関する御田寺圭さんの見立てです。「子供を産む産まないは個人の自由であるというのはその通りだし、これからも変わらないだろう。しかし、『産む女性』の社会的な尊敬の度合いは急激に上昇し、『産まない女性』のそれを大幅に上回るフェーズが向こう十数年において待ったなしに始る。」「日本の出生数はご存じの通り年々激減していて、それは『社会保障の担い手』の減少を共起している。」「敢えて『産まない』を選択した女性は、今でこそ先進的で精錬された”あるべき女性”の生き方として称賛されているが、そのムードは徐々に陰りを見せていく。」「彼女たちは『稼ぎは自己投資や自己利益のために最大限使い切って、年をとったら産んだ女性の子や孫にカネやリソースをたかって悠々自適な老後を送る気満々の人』という眼差しを向けられる。」「世の中では子育て世帯の女性を中心に『なんで産んだ側の私たち(の子や孫世代)が、産んでいない側の人たちの老後を面倒みないといけないの?』という不満を持ち始めている。」 「参政党はここにある種の”鉱脈”が有ることに気付いていた。」

私は政治の素人なので、御田寺圭さんの見立ての当否を語る資格はありませんが、これらのコメントを読んで気付いたことがあります。それは、産まない女性とFIREをした人には共通点があるということです。産まない女性は将来の社会保障を担う子供を産む負担は無視しながら、一方で老後の社会保障はちゃっかり受取ろうという姿勢が批判の的になっています。産まない女性は、社会保障制度のフリーライダーだというわけです。そして、同様の図式がFIREをした人にも言えるのではないか。FIREを達成したら、労働の一線から身を引く。自ら付加価値を生まず、霞を食べて生きる仙人のように生きる。総合課税の対象となる給与所得や雑所得を基本ゼロとし、分離課税の配当所得で生計を賄い、住民税非課税世帯を目指す。それにより、国民健康保険や介護保険、住民税の負担を極小化する。一方、老後の医療・介護等の社会保障の給付は人並みに受取ることを目指します。これがFIREを達成した人の基本戦略でしょう。産まない女性と同様、社会保障制度のフリーライダーだと目される可能性は十分です。

目下のところFIRE達成者に対する上記のような批判の声をきくことはありません。しかし、産まない女性への批判の高まりに連れ、FIRE達成者への批判の声も顕在化するかも知れません。世間の動勢に注意していきたいと思います。

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株式

【株】逆ドルコスト平均法

ドル・コスト平均法とは、株式などの価格が変動する商品に対して「常に一定金額を定期的に」購入する方法のことをいいます。投資金額を一定にすることで、価格が低いときには購入量(口数)を多く、価格が高いときには購入量(口数)を少なくすることとなり、商品の購入を機械的かつ効率的に行うことができます。今、定期購入する株式の価格をp、購入量をqとすると、ドルコスト平均法での株式の購入は、pq=k(一定)と表現できます。例えば、毎月の定期購入額をk=20,000円と設定した場合、p=100円の月はq=200単位、p=400円の月はq=50単位購入することになります。価格が低い月は購入量を多く、価格が高い月には購入量を少なくする調整機能が発揮されています。と、ここまではどの投資本にも書かれている内容ですが、当ブログではもう一歩踏み込みたいところです。

株式等を機械的かつ効率的に売却するにはどうすればいいのか。うまくドル・コスト平均法を応用できないものか、考えてみましょう。具体的には、ドル・コスト平均法とは逆に、価格pが低い月には売却量qを少なく、価格が高い月には売却量を多くできればいいわけです。これは、例えばq/p=k(一定)を満たすように、p、qを決めれば実現できます。仮にk=10と設定したとします。p=100円の月はq=1000単位を売却、p=400円の月はq=4000単位を売却するイメージです。これなら、価格が低い月は売却量を少なく、価格が高い月には売却量を多くすることができます。ただ、注意しなければいけない点があります。購入のときと違い、売却では価格pがどんどん上昇していくと、売却量qも青天井で多くなっていきます。結果、予定以上の株式を売却してしまう危険性があるのです。このリスクを回避するためには、予め1回あたりの売却量に上限を決めておく必要があります。例えば、q/p=10(q≦5000)みたいな感じです。

目下、政府はシニア層の資産取崩しニーズに応えようと、「プレミアムNISA」の創設に動いていますが、今回検討した逆ドル・コスト平均法を使えば特別な商品や仕組みがなくても、機械的かつ効率的に資産の取崩しができると思います。

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閑話休題

【閑】高速道路で足をつる

昨年私は60歳になったのを機に、65歳になるまでに日本100名山のうち50の山に登ることを皆さんにコミットしました(ヘタレの中期経営計画)。 その時点で私が登頂済の山は28座。残る22座を5年間で登る必要があります。しかし、昨年は夏から秋にかけ週末の悪天候が続いたり、私の体調不良があったりと、結果的に未登頂の百名山に一つも登ることができませんでした。そのため、今年は何としても5座以上の百名山に登りたいと思っています。

手始めに、6月18日に奥秩父の瑞牆山(2,230m)に登ってきました。みずがき山自然公園をスタートし、不動滝⇒瑞牆山⇒富士見平小屋⇒みずがき山自然公園、と周回するコースです。標高差950m、コースタイム6時間、距離は10km。ネットや書籍では初級者コースとして紹介されていますが、実際はどうだったでしょうか。

瑞牆山山頂へは富士見平小屋から直接登るルートもありますが、こちらは途中でロープや鎖を使って大きな岩をいくつもよじ登る必要があり、三点確保程度のクライミングの基礎はあった方が安全です。それに比べ不動滝ルートは岩場の通過が少なく、難易度は低くなっています。私は不動滝ルートを登り、瑞牆山直登ルートで下山しましたが、直登ルートの大きな岩を下る際は結構気を使いました。ロープや鎖は登りには有効ですが、下りには余り役に立ちません。私はロープや鎖をあてにせず、後ろ向きになってお尻で岩を滑るように下りました。岩といっても岩壁を登るクライミングではありませんので、落ちても死ぬようなことはありません。ただ、ひどい擦り傷を負ったり、足首を捻挫する危険性はありますので、慎重さが求められます。

今回、瑞牆山に登って感じたのは、初級者コースだと思って舐めてかかると痛い目に合うということです。特別なクライミング技術はいりませんが、三点確保は身につけてから行った方が無難でしょう。それから直登ルートを下るときは、想像以上に足に負荷がかかります。健脚の持ち主には要らぬお世話ですが、たまにしか山に行かない私のような者が、直登ルートを下ると足をつる可能性が高いです。ちなみに、私は自宅に帰る途中、中央道を走行中に、いきなり両足をつりました。余りの痛さでアクセルもブレーキも踏めません。しかし、アクセルを踏まないと、車はエンジンブレーキがかかって徐々に減速します。次のPAはまだまだ先です。私はなるべく足に力がかからないように足先を伸ばしながら、アクセルペダルを指先でタッチするようにして、何とか車のスピードを維持しました。そうこうしているうち、なんとか無事PAに滑り込むことができて事なきを得ましたが、一時はパニック寸前、冷や汗たらたらでした。

下山後、高速道路を走行中の足のつり。今まで経験したことのない、想定外のヒヤリハットでした。

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株式

【株】たまにはチャートでも~最近の相場の傾向と対策~

たまにはチャートでも見ながら相場の話をしましょうか。といっても、私はチャーチストではないので、テクニカル分析をしての相場予測などは致しません。あくまで、事実としての相場の軌跡をチャートで確認するだけです。

これは2022年1月から直近までの日経平均株価の日足です。①は2024年8月5日の大暴落、②は2025年4月7日のトランプショックです。このチャートから確認できるのは、(ア)2024年7月31日の日銀利上げ以降、毎年20%前後の急落が起こっているが、(イ)二番底を付けることなく、(ウ)急速に値を戻していることです。

(ア)~(ウ)から言えることですが、
(A)相場が底を打ってから買おうと思っても手遅れ。買いたいと思ったら落ちるナイフを掴む覚悟がいる。
(B)暴落だとパニックになって損切りすると、そこが底値だったりする。
(C)相場が下がって安易にショートを振ると、手痛く踏まされる。

確かにVIX指数は10%台に落ち着いてきましたが、まだまだ物騒な相場が続いています。こんなときは、超長期のほったらかし投資に徹するのが一番です。さもなくば、超短期のトレードにとどめ、ポジションは日計りで決済すること。オーバーナイトは危険です。

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閑話休題

【閑】貴方に笑顔のプレゼントを

私は今まで学校でも職場でも、回りに迷惑をかけっぱなしでした。なので、自分がくたばる前に、友人・知人に少しでも借りを返したいと思っています。現在私は61歳。健康寿命の72歳を賞味期限とすれば、体の勝手がきくこの10年が勝負です。ただ、借りを返すといっても、何をしたらいいのか。大したことができないのは、はじめから分かっています。だったら、自分の強みを活かして、好きなことをして借りを返そう。そう思いました。

ところで、自分の強み? そんなもんあったっけ? これといって取り柄のない、万年ヒラ社員の私に強みなんてあるわけない。最初そう思ったのですが、現場一筋、雑巾がけ35年の経験が逆に強みになるかも。また、山登りやダイビングを何気に30年以上続けてきたことも、ひょっとしたら強みになるのかなと。
そして、私は子供の頃から友達を笑わせることが好きでした。ならば、友人・知人に笑顔をプレゼントすることで借りを返すというのはどうだろう。

問題は、どうやって友人・知人を笑顔にするかです。私は営業でお客さんを接待するため、長年美味しくて安い店、一風変わった店等の情報を集めてきました。だったら、友人・知人をそれらのお店に招待して、美味しい料理やお酒を楽しんでもらえば、みんなを笑顔にできるはず。
また、若い頃から私は仕事で全国を飛び回ってきました。そして、行く先々でお客さんから地元の穴場や特産物を教えてもらいました。現地では車で移動することが多かったので、私は長距離の運転が苦になりません。そこで、各地の穴場や特産物を売りにしたオレ流の穴場訪問&食ツアーを企画し、友人・知人を誘ったら面白いんじゃないか? ガイド兼ドライバーは私です。みんな喜んでくれるでしょう。

最後はこれ。山登りやダイビングの経験を活かして、友人・知人をアウトドアの世界に誘いたいと思います。まあダイビングをやりたいという人はレアでしょうが、ハイキング程度の山なら登ってみたいという人は多いはず。そんな人を対象に、道具の選定から低山のガイドまで、一連のお手伝いをさせて頂きます。大自然の前で友人・知人のはしゃぐ姿が目に浮かびます。

いかがでしょう? 皆さんも私と一緒に、食事会やドライブ・山登りに行ってみませんか? きっと、素敵な笑顔をプレゼントできると思いますよ。







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株式

【株】米国格下げとな?

大手格付け会社ムーディーズは16日、米国の発行体格付けの引き下げを公表しました。過去の格下げ時の経験から、今回も市場では通貨安、債券安、株安のトリプル安を警戒する声が出ています。歴史は繰り返すといいますが、さて、今回はどうでしょうか?

ひとつ、頭を冷やして考えましょう。まず、米国格下げですが、これは何も今に始ったことではありません。2011年のS&P、2023年のフィッチが既にAAAからの格下げを実施済です。それから、格下げによる米国の信用低下ですが、これもトランプさんのチャランポランな関税政策のせいで海外投資家の信用はとっくに失っています。また、格下げで米国債券が売られれば、トランプさんが最も気にしている長期金利が上がってしまいます。そうなれば例のトランププットが発動され、株価の下支えが期待できます。

このように考えてくると、一瞬トリプル安があったとしても長続きはしないのではないかと思えてきます。実際、現在の為替の水準は1ドル=145円程度とやや円高に振れていますが、パニック的な動きにはなっていません。

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閑話休題

【閑】ゴールデンウィーク2025

人によっては11連休となった今年のゴールデンウィーク。皆さんはいかがお過ごしだったでしょうか。私はカレンダー通りの休みでしたので遠地の観光スポットに行ったりはしませんでしたが、夏山に向けたトレーニングで長野県と岐阜県の県境にある小秀山(1,982m)に日帰りで登りました。今日はそんな山登りの1日についてお話します。

小秀山は全国的な知名度は今いちですが、日本二百名山に数えられる名峰です。コースタイムは山頂まで登り5時間+下り3時間、距離にして往復で10km、駐車場からの標高差は1,200mです。(二ノ谷ルート) 途中、「かもしか渡り」といわれる垂直な7mの登りがあったり、ちょっとした岩場があったりと、少し怖いけど楽しいコースとなっています。
二ノ谷ルートは乙女渓谷のキャンプ場を起点に、幾つもの滝に沿って木道の散策路をしばらく歩きます。そして、散策路が終わるといきなりの急登です。私は昨年、一昨年とGWに小秀山に登っており、今年で3度目です。そのため、タフではあるものの勝手知ったるルートとして、リラックスして登山道を登っていました。でも稜線に出た瞬間、そんなお気楽さは吹っ飛びました。なんと、そこはまさかの銀世界。過去2度の山行では見たことのない光景です。私はしばらくツボ足で登っていきましたが、第一高原を過ぎたあたりから堪らずアイゼンを付けました。しかし、慣れない雪道は容赦なく私の体力を奪っていきます。また、登山道が雪に隠れて見えないため、私は何度もルートを外れ、正規のルートに戻るまで無駄に時間を費やしました。
結局、第三高原を過ぎ山頂直下に辿り着いた時点で、山頂までのあと100mを登る気力も時間も私には残っていませんでした。残念ではあったものの、身の安全が第一です。私は撤退することを決めました。

来た道をとぼとぼと帰る途中、雪道を軽快に登ってくる私と同世代と思しき男性とすれ違いました。「モンスターや!」そう思いました。私もそこそこ体力に自信はあったのですが、自分の力不足を痛感する山行となりました。








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保険

【保】ペット保険

VIX指数が30を割り込み、漸く米国株式市場も落ち着きを取り戻しつつあるようです。株式市場の暴落には無関心なトランプ大統領ですが金利の上昇は気になるようで、米国債券市場が下落するとトランププットを発動するパターンが続いています。だったら、円高の進行が心配ではありますが、ドル円142円近辺で米国10年債4.2%の水準は「買い」だと思うのですが、どうでしょうか? 昨年ドル円155円~160円のとき、ユーチューブで盛んに米国債の買いを煽っていたオジサン、どこへ行ちゃったんでしょう。
さて、相場の話はこれくらいにして、今日はFPジャーナル4月号の「誌上講座」で取り上げられていたペット保険の話をしたいと思います。

ペット保険は主に犬や猫を対象に、ペットの医療費(入院・通院・手術)を補償する保険です。犬の噛み付き賠償や火葬費用をカバーするものもあります。人の場合は1日あたり1万円という様に定額で補償しますが、ペット保険では負担した医療費の一定割合(50%とか70%とか)を補償する形になります。また、ペット保険には付帯サービスが付いていることが多く、獣医師による24時間健康相談や各種優待サービスなどもあります。

次にペット保険を比較・検討する上で主な注意点とポイントです。ペット保険には加入可能年齢があるため、いつでも新規加入ができるわけではありません。各社で違いはありますが、加入可能なペットの年齢の上限は7歳前後から12歳までとなっているケースが多いです。また、生後所定の期間は加入できなかったり、加入後に一定の待機期間が設けられていたりします。入院や手術が中心で通院は補償しないものや、入院や通院、手術等について年間で利用できる上限額や回数が設定されているものもあります。
ペット保険は保険期間が1年更新で、終身補償でないのが一般的です。したがって、保険料は一定の頻度で上昇していきます。そのため、保険の選択にあたっては、目先の保険料だけでなく、将来の保険料負担がどうなるかチェックすることが重要です。また、人の更新型医療保険の場合は、所定の年齢まで自動更新となることが一般的ですが、ペット保険では完治が困難な慢性疾患のようなケースでは更新できないことがあるので要注意です。

尚、保険会社への保険金請求は、一旦被保険者が自分で動物病院に医療費を支払った後で、改めて電話やWEB等で行うことになります。

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株式

【株】プラチナNISA

4月26日の新聞各紙は、金融庁が高齢者向けのNISAを創設する方向で検討に入ったと朝刊の第一面で報じました。2026年度の税制改正要望に織り込む方向とのことで、運用益等を分配金として毎月払い出す「毎月分配型」の投資信託を「プラチナNISA」と銘打ち、65歳以上の高齢者に限り利用できるようにするそうです。これは年金に頼る高齢者の「NISA内の投信を毎月の生活費に充てたい」というニーズに応えるもので、NISA口座の資産を売却せずに分配型に移行できる「スイッチング」も1回だけ認められる予定です。

関係者の中にはプラチナNISAの創設を、「長期の資産形成と逆行する」と指摘する向きがあるようですが、私は違うと思います。老い先の限られた年金生活者を前に、「投資は長期目線でやるべき」と説教することがおかしいことに気が付かないのでしょうか。私はプラチナNISAは資産運用のための商品ではなく、資産管理のための商品だと思います。つまり、若年期から中年期で積み上げてきた資産を高齢期において効率的に回収するためのものです。従来はNISA内の投信の出口は、投資家が自分の判断でタイミングを見て売却するしかなかったわけですが、今後はプラチナNISAにスイッチングすることで機械的にキャッシュを回収することができるようになります。投資家の選択肢が増えるという意味で大変有意義だと思います。