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【ラ】健康寿命の違和感

男性72.57歳、女性75.45歳。これが令和4年の日本人の健康寿命だそうです。てことは、今61歳の私は、あと10年ほどしか健康な状態でいられないということ? 冗談でしょ。私、全然心の準備できてませんけど。この前、社員が70歳まで働けるように人事制度を変えたと、会社から説明を受けたばかりだし……。皆さんも、男性72歳、女性75歳が健康寿命だなんて言われた日にぁ、ビックリ!ですよね。そこで、今回はこの健康寿命を巡る違和感について考えてみたいと思います。

まず、健康寿命の定義ですが、「健康寿命とは、ある健康状態で生活することが期待できる平均期間を表す指標です。これは、算出対象となる集団の各個人について、その生存期間を『健康な期間』と『不健康な期間』に分け、前者の平均値を求めることで表すことができます。」とあります。(厚生労働省 e-ヘルスネット) 次に、健康寿命の算出方法ですが、「日常生活に制限があること」を不健康と定義し、3年ごとに実施される「国民生活基礎調査」で得られたデータをもとに算出するとのこと。具体的には、「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という質問に対し、「ない」という回答を「健康」とし、「ある」という回答を「不健康」として算出するそうです。

この説明を読んで、私は違和感の原因が何となく分かりました。「あなたは現在、健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか?」と聞かれて、「ない!」と即答できる高齢者がどれだけいるでしょうか。人間70歳にもなれば体のひとつやふたつ、調子の良くない箇所があるはず。恐らく、ほとんどの高齢者が色々考えたあげく、「ある」と回答するでしょう。結果、日常生活にほとんど制限がなく元気な高齢者も、「不健康」にカウントされることになります。つまり、健康寿命は実態より若年方向にバイアスがかかった形で算出される可能性が高いのです。

明石市は上記の厚生労働省方式について、「3年に1回行われる全国的なアンケート調査(国民生活基礎調査)によって得られた『日常生活に制限のない期間の平均』から算出されて健康寿命は、回答者の主観が反映される傾向がある」として、独自に「日常生活動作が自立している期間の平均」から健康寿命を算出しています。具体的には、要介護2級から5級の認定者を「不健康」、それ以外を「健康」とするもので、厚生労働省方式に比べ客観性が高いと言えます。
ちなみに、明石市方式での健康寿命(令和元年)は男性79.98歳(平均寿命81.32歳)女性84.20歳(平均寿命87.24歳)となっており、平均寿命と対比しても違和感の少ないものです。
これを見て、私の心臓のバクバクも少し収まりました。


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株式

【株】シニア向けNISA二段重ね活用術

現在61歳の私は某社で嘱託として働いていますが、多くの会社員の方が定年退職後も嘱託として継続勤務されていることと思います。今や65歳まで働くのは当たり前。70歳まで働くという元気なシニアの方も多いです。ただ、問題はシニアが手にする給料が、現役当時に比べ大幅に減らされてしまうことです。そのため、生活費に充てるキャッシュが不足する場合、年金や資産運用でカバーする必要が生じます。今回はそんなシニアの事情に合わせたNISA活用術を考えてみたいと思います。

シニアにとって資産運用の目的は将来の資産形成ではなく、足下での生活費の原資となるキャッシュフローの獲得です。私はそんなシニアの方に、まずはNISAの成長投資枠での高配当株投資を提案します。株価はしばしば企業の業績とは無関係に、市場参加者の気分(PER)によって激しく変動します。一方、株式の配当は企業の業績(EPS)に応じて変動し、株価の影響は直接には受けません。高配当株に投資すれば、(企業の業績に大きな変動がないかぎり)株価が上がろうと下がろうと、安定したインカムゲインを手にすることができます。

しかし、高配当株も企業業績が悪化すれば減配、最悪、無配に転落します。そのため、企業業績の悪化時への対応も考えておきたいものです。そこで、もうひとつの提案です。それは、NISAのつみたて投資枠で株式インデックス(TOPIX)投信に投資するのです。そして、TOPIXの予想PERが例えば17倍とか18倍(※)を超えるような過熱したマーケットになったら、投信の一部を売却しキャッシュでプールしておきます。先々、企業業績が悪化して配当が減少した場合は、キャッシュを取崩しインカムゲインの減少分を補うようにします。このように、成長投資枠の高配当株でベースとなるインカムゲインを確保しつつ、配当減少時にはつみたて投資枠のキャッシュを注入することで、より安定したキャッシュフローの獲得が期待できるという仕組みです。
(※)一般的にPERの適正水準は15倍前後とされます。