カテゴリー
株式

【株】高配当株の分散投資

FIREを実現し、高配当株やREITの配当で生活費をカバーしている方も多いようです。インカムゲインを狙うなら不動産投資という手もありますが、私もやはり高配当株でFIREを目指そうとするでしょう。(残念ながら、アーリー・リタイアといえる年齢はとっくに過ぎてしまいましたが……) ただ、ちょっと気になるのは、彼らが選択した高配当株の銘柄にしばしば業種の偏りが見られることです。具体的にいうと、メガバンクや損保、リース等の金融株や商社株、通信株等です。

高配当株も株の仲間ですから、当然マーケットの影響を強く受けます。そこで、マーケットの影響ができるだけ小さくなるように、業種を分散して高配当株に投資する。これが私のお薦めです。例えば、金利。金利が上昇したときに儲かる業種と、金利が低下したときに儲かる業種を合わせ技で購入する。あるいは、原油。原油価格が上がったときに儲かる業種と、原油価格が下落したときに儲かる業種。また、為替が円安になったときに儲かる業種と、円高になったときに儲かる業種。

もうひとつ上げるなら、ベータ(β)値に注目して銘柄分散する方法もあります。β値は個別銘柄の東証株価指数(TOPIX)との連動性のことです。β=1の銘柄であれば、TOPIXが10上がれば、(過去のデータから)その銘柄も10上がることが期待されます。β=0.5の銘柄なら5だけ上がる。β=1.5の銘柄なら15上がることが期待されます。逆にTOPIXが10下がっても、β=0.5の銘柄なら5しか下がりません。(個別銘柄が必ずβ値通りに動くわけではありませんので、念の為。)
高配当株で人気のある銘柄のβ値をみると、日本特殊陶業:1.36、オリックス:1.28、AGC:1.26、MUFG:1.18、三菱商事:1.09、武田薬品:1.08、東京海上日動:0.72、日本たばこ:0.66、日本郵政:0.57、こんな感じです。尚、ベータ値はロイターニュースで「国内株式」をクリック→「株価検索」で銘柄名を入力→「指標」をクリックするとベータ値が掲載された画面に飛ぶので、そこで入手できます。

β値の小さい高配当株を集めれば、TOPIXとの連動性の低い保守的なポートフォリオが出来上がります。TOPIXが急落する局面でも、キャピタルロスをある程度抑えることが期待できます。逆に、TOPIXの底値圏でβ値の高い高配当株に投資すれば、インカムゲインに加え株価の反転によるキャピタルゲインも狙えます。