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【株】祝! TOPIX最高値更新

2024年7月4日、東証株価指数(TOPIX)はバブル期の1989年12月18日につけた最高値(引値ベース)2884.80を34年ぶりに更新しました。市場関係者からは、東証の資本効率化改革への期待感の高まりとか、企業の第1四半期決算の結果先取りとか、トランプさんの再選を意識とか、色々な声が上がっていますが、いつものことですが本当のところは分かりません。ただ、日本株の上昇トレンドの底流に、デフレ脱却への期待があることは間違いありません。

日本企業の低生産性、経営者のアニマルスピリットのなさ、設備投資への消極的スタンス。家計の貯蓄性向の高さ。日本経済低迷の原因とされてきたこれらは全てデフレと繋がっています。海外から見れば、日本企業や家計のこういった行動は、特殊で非合理的なものに映ることでしょう。しかし、デフレを前提とすると、実は合理的であることが分かります。物価が下がり続ける世界、そして金利のない世界は、凍り付いた静の世界です。それがバブル崩壊後の日本経済の姿でした。そんな環境で生き残るためには、無駄なエネルギーは使わず、ひたすらじっとしていることが合理的な選択となります。

皆さんは、以前お話した世界最長寿の動物:ニシオンデンザメを覚えておいででしょうか。北極海の深海に生息するニシオンデンザメというサメの仲間は、何と500年以上も生きることができるそうです。ニシオンデンザメは、なぜこれほど長生きなのか。それは、ほとんどエネルギーを使わずに生活しているからです。
バブル崩壊後の日本は、まさに北極海の深海のような状況であったと言えます。縮み続ける凍えた市場を前に、投資を拡大する企業経営者はいません。海外に進出するか、さもなくば内部留保を積み上げた方が賢明です。家計も資産をキャッシュか預貯金で保有する方が得策であったといえます。

しかし、デフレ脱却とともに、日本経済は長年の呪縛を解かれることになります。物価が緩やかに上昇する世界、金利のある世界。そこは、動の世界です。企業経営者はアニマルスピリットを発揮し、積極的に設備投資を行って生産性の向上を図ります。家計も物価の上昇に負けないよう、預貯金を取り崩してリスク資産への投資を拡大するでしょう。

日本経済、復活。