投資することの意味は、お金をお米に置き換えて考えるとよく理解できます。早速ですが、いま手許に100のお米があるとしましょう。このお米の使い方と結果をケース別に考えてみます。まず今年、2024年の状況からです。
(ケース1)
今年とれたお米100を全部食べてしまいました。さあ大変、来年食べるお米がありません。
(ケース2)
今年とれたお米100のうち50だけを食べて、残り50は来年のために蔵に備えておくことにしました。蔵は頑丈なので台風がきても安心です。
(ケース3)
今年とれたお米100のうち50だけを食べて、残り50は田んぼに播いて稲を育てることにしました。ただ、夏に台風が来ないか心配です。
次は時計の針を1年進めて、2025年の状況です。
(ケース1)
去年お米を食べ尽くしてしまったので、今年は家族全員で出稼ぎに行かなければなりません。
(ケース2)
お米を食べようと蔵を開けてビックリ。50あったはずのお米がネズミにかじられて30に減ってしまいました。
(ケース3)
幸いにも台風が来なかったので稲は豊作となり、200のお米を収穫することができました。でも、もし台風が来ていたら、20のお米しか収穫できなかったでしょう。
いずれのケースも一長一短であり、どれがベストか事前には分かりません。でも、私たちの祖先は果敢にリスクと向き合い、弥生の昔から(ケース3)を選択してきました。彼らはひと粒のお米が稲穂となり、何十粒ものお米が実ることを知っていたからです。そして、この稲作の複利効果が、今日の私たち日本人の繁栄の基礎となっています。
さて、ここでもう一度お話をお米からお金に戻して、上記ケースを眺めてみましょう。そうすると(ケース1)は賃金収入で生活費を100%賄うケース、(ケース2)はリスクを嫌ってお金を銀行に預けたもののインフレで目減りしてしまうケース、(ケース3)はリスクを受け入れてお金を投資に回すケース、に相当することが分かります。お金の場合も、どのケースがベストか事前には分かりません。ただ、私はお米に関する先輩たちの取り組みが参考になると考えています。
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