昨日も日経平均は大幅安。トランプ関税のダメージ、留まるところを知らずです。この先、世界経済はどうなるのか。日本株はどこまで下がるのか。誰もが知りたいところだと思いますが、今みたいにVIX指数が50を超えるようなカオス状態で、あーだこーだ言っても始まりません。理屈が通じる相場じゃないんです。ヘッジファンドのマージンコール精算が一段落するまで混乱は収まりません。理屈を語るのは、VIX指数が30を割り込んでからでいいでしょう。
最近の相場暴落というと、記憶に新しいところではコロナショックがあります。パンデミックの感染拡大により、2020年3月に日本株は約31%下落しています。また、リーマンショックでは2008年9月のリーマンブラザーズ破綻をきっかけとした金融システム不安から、世界株は約45%、日本株も約32%下落しました。この2つのショックでは当局が打ち出した対策が奏功し、市場の混乱は比較的短期間で収束に向かいました。コロナショックではロックダウンや非常事態宣言の発令に平行し、無料でワクチン摂取を進めました。リーマンショックでは、経営不振に陥った金融機関に公的資金を注入するとともに、金融市場へ大量のマネーを供給して市場の安定を図りました。
しかし、今回のトランプショックの悩ましいところは、危機の元凶が米国大統領その人である点です。今回ばかりは米国政府もFRBも、有効な対策の打ち出しようがありません。とにかく、このアフォな関税を一刻も早くトラさんに引っ込めてもらうしかないのです。関税はインフレというチャネルを通じて、米国民の首をじわじわ締め上げていきます。そうでなくてもコロナ以降インフレに辟易している米国民が、さらなるインフレに我慢できるはずがありません。あとは、米国民にトラさんの首に鈴をつけてもらう。私たちはそこに期待しましょう。
カテゴリー
【株】トラの首に鈴を付ける
