日本国債市場で超長期国債(償還までの期間が10年超の国債)の利回りが急上昇しています。1年前の今頃は2%台半ばであった40年国債の利回りは、足下では4%を超えています。背景には、消費税減税を始めとした高市内閣の財政拡張的な政策の推進があります。マーケット関係者は減税の財源として赤字国債の増発による債券マーケットの需給悪化を予測し、先回りして大量の売りを出しているのです。
ところで、この40年国債で4%の利回り、投資対象として非常に魅力的だと思いませんか。新発債で購入すれば償還(満期)までの40年間、毎年4%の利息を受取れます。40年国債は確定利付き債券なので、4%は変動することはありません。さらに、40年後には元本割れすることなく元本の償還が保証されています。
株式でも4%の利回りを期待できる銘柄はいっぱいありますが、配当は減配の可能性がありますし、投資資金がマイナスになることもザラです。
やはり、日本国債40年4%は買い? でも、ちょっと待って下さい。確かに、デフレ経済下においては目をつぶってでも買うべき投資対象といえます。しかし、現下の日本は毎年2%物価が上がるインフレ経済です。ここでは、仮にずっと2%の物価上昇が続いた場合に、現在の100円が40年後にいくらになるか考えてみましょう。
100円×(1+4%)^(ー40)=45円
驚くなかれ、40年後には現在の100円の実質価値は45円に低下してしまうのです。
同様に、40年後の利息4円も実質価値は1.8円(4×0.45=1.8)に減少します。
これがインフレリスクの怖さです。目先の高い(名目)利回りに目を奪われて確定利付きの債券に飛び付くと、市場リスクは回避できてもインフレリスクでやられることになります。
インフレリスクを回避するためには、一部で市場リスクを受け入れて株式等のリスク資産に投資することが有効です。株式であれば毎年2%物価が上昇しても、それ以上に配当が増加していけば(例えば4%)、差し引きでプラスの増加が期待できます。また、40年後に投資元本の実質価値が減少するどころが何十倍にも増加することも期待できます。
実際には超長期国債の現物を個人投資家が直接購入することはできませんが、iFreeHold日本国債(JGB2056)等の投資信託を利用することで投資が可能です。しかし今回見てきたように、インフレ経済下での固定利付き債券への投資は大きなリスクを孕んでおり、事前によくよく検討されることをお勧めします。