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閑話休題

【閑】介護施設に母を訪ねる

現在、私の母は要介護2級の認知症で、特別養護老人ホーム(特養)に入っています。一時は母の顔から表情が消え、まるでデスマスクのようになっていました。会話は成立せず、徘徊も始ったので、自宅介護を諦め施設に入ってもらいました。当時は夫(私の父)の名前も言えない状態で、要介護4級に認定されました。しかし、不思議なもので薬を変えたところ、母の顔に表情が戻り、会話も普通にできるようになったのです。要介護認定も2級に改善しました。(直前の出来事や言動を直ぐに忘れてしまう認知症固有の症状は、残念ながら改善しません。)

母が入っている施設は私の自宅から車で30分ほどの距離で、月に1回の頻度で訪問しています。先日施設を訪問したときは、母はニコニコしながら食堂でトレーを拭いていました。この施設では体を動かせる入所者には、軽い作業をさせているようです。母は自分を施設の職員だと思い込んでおり、しきりに「忙しい、忙しい」と口にしていました。そして、実家にいる父のことを「おっとおは、働かんとテレビばっか見とるでかんわ。あんなもん、じきボケるで。」と名古屋弁でディスるのでした。

満足そうな母の様子を見ていると、認知症もそう悪いものでもないと思えてきます。少なくとも、死の恐怖からはおさらばです。