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【株】清原達郎さん著「わが投資術」を読んで

いい感じで日経平均が下がってきました。個人的希望を言わせていただくと、あと2,000円ほど下がってくれると嬉しいのですが。でも、今まで買えてない人が多いようですから、そこまで下がらないかもしれませんね。
今回は注目の清原達郎さん著「わが投資術」(講談社)を読んだ感想について、書いてみたいと思います。ただ、ネタバレになるので詳細は書けません。興味を持たれた方は、是非本書を手に取ってみて下さい。

清原さんの投資手法は、ご本人いわく「割安小型成長株投資」です。えっ? 割安株投資? 成長株投資? どっち? 思わず聞き返したくなりますが、まさしく割安成長株投資なのです。この投資法は小型株の中で低PERかつネットキャッシュ比率の高い銘柄を選んで、3年~5年間保有し株価が上昇したところで売却するというものです。小型株である理由は、マーケット関係者から注目されず割安な状態で放置されている可能性が高いから。業績が好調で増益が続くと、当社に注目するヘッジファンドや小型株を得意とする証券会社の関心を集めます。市場の注目を集めるに従ってPERが切り上がっていきます。清原さんの言葉を借りれば、「バリュエーションの梯子を上がっていく」感じです。このPERの上昇によって、当社株のパフォーマンスは驚異的なものとなります。(※)

割安小型成長株投資はスタンダード市場(旧、店頭登録市場)を舞台としていますが、グロース市場(旧、マザーズ市場)はどうか。気になるところです。清原さんは、「中身が冴えない割には高PER銘柄が多く、最悪の市場です。赤字のバイオ株など、見る価値のない株が多すぎます。」と辛口の評価をしています。

以上、ごくごく簡単に「わが投資術」をご紹介しました。最後に私の感想をお話します。本書には、実務家でないと書くことのできない(他書にはない)貴重な株式投資のノウハウが満載です。ひと通り投資を勉強した方で中期目線で株式投資に取り組まれる方にはピッタリの教科書でしょう。ただ、ほったらかし投資の長期個人投資家の目指す路線とは、ちょっと違うかなと思いました。

(※)清原さんのファンドが買いを入れることで、割安に放置されていた小型株の商いが急増し、それが市場関係者の関心を呼ぶケースも多いと思います。このあたりは個人投資家には真似できない領域です。