2023年8月18日の日経新聞「大機小機」に「本来の金融リテラシーはどこに」と題したコラムが掲載されました。金融庁の肝いりで行われている金融リテラシー教育について、辛口のコメントが続いています。
「金融リテラシーという用語が好きでない。…… 単純に「金銭感覚を磨こう」でいいではないか。」「そもそも株式の短期投資と長期投資の差異がきちんと説明されていない。」「短期投資と長期投資の区別があいまいなのは、業者を含めた関係者が、本当の意味での長期投資の素人だからではないのか。」「本当の意味での金融リテラシーが必要なのは、個人ではなく、業者をはじめとする多くの関係者ではないだろか。」
よくぞ言ってくれた! 思わず私は膝をたたきました。業者や関係者が長期投資の素人だという指摘は、私も全く同感です。ただ、中には長期投資が何たるかを知りながら、短期投資を投資の本道かのように偽る業者も少なくないと思います。ほったらかしの長期投資は彼らの商売のネタになりにくいからです。
長期投資の本質はニック・マジューリ氏の著書にあるように3語で表現できます。”JUST KEEP BUYING” 運悪く投資したタイミングが史上最高値であっても、期間分散を行うことでタイミングのリスクを薄めることは可能です。長期投資で大切なことは相場に参加し続けること、それだけです。相場観を入れて売買を行うことはしません。相場が下がっても損切りは不要です。株式相場が長期的に右肩上がりに上がってゆくことは歴史が証明しています。(ここで、「バブル崩壊後の日経平均はそうなってないじゃないか」とツッコミを入れたい方には是非、”JUST KEEP BUYING”を手に取っていただきたいです。) あるべき金融リテラシー教育とは、”JUST KEEP BUYING”の意味を、学生さんたちに腹落ちしてもらうことだと思いますが、いかがでしょう。