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閑話休題

【閑】海の中の槍ヶ岳

海と山と」では海と山が通じているというお話をしましたが、今回はその続きです。まずは、下の写真↓と上の写真↑を見比べて下さい。ちなみに上の写真↑は槍ヶ岳です。

荒ぶる海から突き出た、槍の穂先のような岩の塊。何じゃこりゃ?と思われたことでしょう。これは東京のはるか南約650キロ、鳥島の南約76キロにある高さ100mの孀婦岩(ソーフガンまたはソーフイワ)といわれる奇岩です。(偶然の一致というべきか、槍の肩から槍ヶ岳山頂まで、いわゆる「槍の穂先」の標高差も100mです。) 2018年秋に放送されたNHKスペシャル「秘境探検 東京ロストワールド孀婦岩」を見て知ってるという人もいるかもしれません。

写真を見ると単独の岩が突き出ているように見えますが、実は水深200mほどのところに平らな台地状の山があり、その山は水深2,500mの深海から立ち上がっているのです。(ケーキにロウソクが付き刺さっている様子を想像して下さい。)つまり、標高2,800mのアルプス級の高山の先端100mが海から突き出ているわけです。孀婦岩は安全岩という硬い岩石でできていることが学術調査で分かっていますが、今のような波の浸食を受け続けていくと、数百年から数千年で消えてなくなると推測されています。

以前は、孀婦岩への不定期航路を持つ「スターマリンⅢ号」という大型高速遊漁船があり、ダイビングショップによる孀婦岩ツアーが開催されたこともありますが、その後、乗客減少により海外へ移転したようです。現在は、下田から孀婦岩まで行く船をチャーターできるとの情報もありますが、詳細は不明です。私は来年、槍ヶ岳に登りたいと考えていますが、孀婦岩にはダイビングはおろか近付くことさえままなりません。
(※)古い本ですが孀婦岩については「東京都・豆南諸島まるごと探検」(山下和秀著 三五館)に詳しい。