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【年】年金を繰下げる

皆さんが一番恐れているもの、最大のリスクは何でしょうか。仕事のストレスや上司のパワハラ? 相場の大暴落? 子供の将来? 数え上げたら切りがありませんが、私の場合は医学の進歩で人間が死ななくなること、超高齢期まで生き延びてしまうことです。そうなると医療や介護の費用が青天井でかかり、子供や(まだいませんが)孫に迷惑をかけてしまうことが心配です。

次世代にかける負担を少しでも軽くするため私たちにできることは、自分の面倒は自分でみることです。医療や介護の費用は極力自分で準備することです。そのために手っ取り早い方法が、(公的)年金の繰下げによる受取額の増額です。(5年の繰下げで42%の増額) 年金を繰下げるというと、「どうせ長生きできないから繰下げは損だ」という声が必ず聞こえてきます。そういう人は年金を「預金」と同じように考えています。年金は現役時代に国に預けたお金なのだから、退職後は利息を付けて返してもらわないと損だというわけです。

確かにそういう考え方も一理あります。しかし、年金の繰下げで増額された年金額は生涯にわたって保証されます。年金の増額で医療や介護の負担増に対応する余力がつきます。払った保険料は死ぬまでに回収したいという気持ちも分かりますが、年金を長寿への「保険」と考えてみてはいかがでしょう。体の動く間は仕事を続け、その間、年金は繰下げる。そして、いよいよ体が言うことを聞かなくなったら年金の受給を開始し、生活費や公的医療・介護制度で賄いきれない費用に充当する。もちろん、心や体の調子が悪い人が年金を繰上げることは、否定されるものではありません。でも元気な高齢者は、次世代の負担を軽減するため、少しばかり汗をかいても罰は当たらないでしょう。