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【株】それでも売りますか

よく投資の秘訣はと聞かれ、「安く買って高く売ること」と涼しげに答える専門家の方がいます。その通りにできれば話は簡単なのですが、なかなかそうはいきません。それだけでなく、長期投資家は売った瞬間から「無限のループ」に入り込むという難題を抱えることになります。
長期投資家の運用原資となるキャッシュは毎月給与等から補填されるため、放っておくとどんどん累積していきます。そのためキャッシュは随時投資に回す必要があります。つまり、長期投資家は買い続ける運命にあるわけです。したがって、売りを入れたら、その瞬間から次の買いのタイミングを考えないといけません。そして、買ったらさらにその先の売りのタイミングを……と、売りを続ける限り投資家は永遠の悩みに取り憑かれることになります。この「売り」→「買い」→「売り」→……の連鎖を、私は無限のループと呼んでいます。でも、売った時点よりも相場が上がってしまったときなど、売値以上の価格で株を買い直すのは精神的に辛いモノ。また、思惑通りに相場が下がったとしても、(NISA/iDeCo以外は)利益の20%を毎回税金に持って行かれます。そんなことをするくらいなら、いっそのこと、長期の個人投資家は安く買うことだけを考えていればいいと私は思います。もっとも、最安値で買うことは無理なので、高く買わない=安く買う、程度の意味です。これは、「長期投資家の戦略はB/Sを使って稼ぐことにある」という私の基本的な考えによるものです。(B/Sを使って稼げ
(※)B/S:貸借対照表のこと

買いっぱなしでは実現益が取れないという方。プラスアルファの給料を株式投資で稼ごうと考えている方は、正直、止めた方がいいと思います。株式投資に費やすお金と時間と労力は、労働に充てるほうが賢明です。それでもやるという方は、日計り商い(デイトレード)に徹していただきたい。恐らく、大半の方は余りの勝率の低さに嫌気がさし、大怪我をする前にさっさと相場から退場されるでしょう。一部の才ある方は、是非、短期投資家の道を極めていただきたいと思います。

10%程度の値下がりで損切りするような投資は、最初からやらない方がいいです。私たち長期投資家にとっては、株が10%下がってからが本番です。長期投資家に基本的に損切りは不要。あるとすれば損切りで実現損を出し、配当収入とぶつけて税負担を抑えるときくらいでしょう。