先日、ある会議の後で、70代の先輩からふいに年齢を聞かれました。私は「59歳です。年が明けると60歳になります。」と答えました。先輩は驚いた様子で、「えっ、59歳? お前、若いな。」と言ったのです。私は先輩が私のことを年齢より若く見えるから驚いたのだと理解し、即座に「ありがとうございます」とお礼を言いました。
家に帰ってから私は、「ちょっと、待てよ」と思いました。ひょっとしたら先輩は、私の見た目より実年齢が若かったことに驚いたのではないか。つまり、私は先輩が驚くほど老け込んだジジイということではないか。その可能性もあることに気付いたのです。
真実は先輩に確認するほかありませんが、改めて日本語の難しさを実感した次第です。英語であれば、”You are younger than you look.”と”You look younger than you are. ” で明確に区別できますが、日本語では比較対照をブラインドにして、単に「君、若いな。」で済ましがちです。これでは最悪の場合、話し手と聞き手で解釈が180度異なり、意図しない誤解が生じてしまいます。
これと似たようなことって、気付かないところで色々起こってそうで怖いですね。
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