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閑話休題

【閑】霊峰白山の屈辱

私にとって夏は登山とダイビングの季節です。ただ、7月下旬から1ヶ月半はほぼ毎週ダイビングで海に向かうので、7月中旬が夏山へ行くラストチャンスとなります。今年は早くからターゲットを白山に絞り、春先から体力作りをしてきました。GWに登った小秀山(1,982m)から恵那山(2,191m)、焼岳(2,455m)、経ヶ岳(2,296m)と2千メートル峰を順にクリアしてきました。そして、三連休の中日、7月16日に満を持して霊峰白山(2,702m)に挑んだのです。

岐阜県側の平瀬道登山口をスタートし、途中、大倉山避難小屋を経由して御前峰まで標高差1,500mを5時間で登るコースです。(往復のコースタイムは8時間半) 加賀の白山といえば、富士山、立山と並び、霊峰3山として登山者以外にもよく知られる山で観光地のイメージがありますが、登山コースとしては結構タフな山です。しかし、私には十分な事前準備をしたとの自負とともに、コースタイムに余裕で下山できる確信がありました。直前に白山を登ったユーチューバーの中には、7時間で大丈夫との声もあったほどです。
でも、現実は厳しいです。登山口から3時間程の大倉山避難小屋に到着する頃に私は早くも体力を使い果たし、それからは10分進んでは休むの繰り返しで大幅なペースダウン。超特急のようなハイピッチの若者に抜かれ、60~70代と思しき超熟女の一団に抜かれ、ついには小学生のちびっ子にも抜かれる始末です。5時間で登る予定が御前峰に着いたのはスタートから7時間後の11時半でした。(結局、登り下りに10時間もかかってしまいました。)

山に登る目的や理由は人それぞれですが、山が好きという点では共通していると思います。でも、私は山が好きではありません。しんどいし、汗はいっぱい出るし、ヒルやマダニに血は吸われるし……。だったら、なんで山に登るんだ?、となりますが、「健康のため」が最大の理由です。私は高血圧、高血糖、高コレステロール、高尿酸、と成人病の総合商社です。そのため、かかり付け医から運動を欠かさないよう、強く指導を受けています。また、人に語れる趣味を一つ二つ持っておきたかったという事情もあります。そして、今回、山に登る目的がもうひとつできました。それは、自分を見つめ直すことです。霊峰白山に登り、私は自分の体力のなさを痛感しました。今の私は小学生にも敵いません。ちょっとばかりトレーニングをしたからと、いい気になっていました。高齢の先輩方が霊峰を軽々と登っていかれる傍らで私は疲れ果て、無様によだれを垂らしながらひっくり返っていたのです。
しかし、今回の山行で私は自分を見つめ直し、至らない点を発見することができました。ダメな点は改善すればいい話です。新たな目標に向かって元気がモリモリと湧いてきました。来年は私も霊峰を駆け上がりたいものです。

最後に、この3連休、北アルプスの剣、穂高をはじめ山岳事故で大勢の方がお亡くなりになりました。心よりお悔やみ申し上げます。