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【株】胆力を身に付ける

以前、個人投資家が長期投資を行うには胆力が必要というお話をしました。(胆力) では、どうやったら胆力を身に付けることができるのでしょうか。もちろん、人それぞれで正解などありませんが、一つの考え方をご紹介します。
結論から先に言いますと、資産の含み益を作ること。これが胆力を身に付ける近道だと思います。投資する資産に含み益があれば、相場が下落してもクッションとなるので、精神的なダメージは軽くて済みます。資産の評価額(時価)が倍になれば、相場が50%下落しても、まだ50%の含み益があるので安心です。また押し目買いのチャンスと見れば、相場の下落はむしろ大歓迎。竹田翁の「上がってよし、下がってよしの株価かな」の境地です。(私が株式投資を薦める理由③) 相場下落への精神的な抵抗力を、人は「胆力」と呼びます。

ただ、問題があります。それは含み益を作るにも相応の時間が必要なことです。当然その間に何度も相場は下がり、損失が発生するでしょう。その度に損切りを繰り返していたら、含み益を作ることは到底不可能です。では、損失からくる心の痛みをどう遣り過ごせばいいのか。そんなとき頼りになるのが、配当や株主優待といったインカムゲインたちです。年3%強の配当があれば、3年で10%の損失をリカバーできます。
短期的なキャピタルロスをインカムゲインで薄めながら、長期的な株価上昇(キャピタルゲイン)を狙う。これが胆力の源泉となる含み益を作る戦略です。ただここまでのお話は、短期的には上下動を繰り返す株価も長期的には上昇トレンドを描くというストーリーにご賛同頂くことが前提となります。

この戦略を具体的に言いますと、①高配当株投資でインカムゲインを享受しつつ成長株投資で長期的にキャピタルゲインを狙う、または②高配当高β株投資で短期的なインカムゲインと長期的なキャピタルゲインを狙う(高配当株の分散投資)、となります。注意頂きたいのは、これらがポートフォリオ戦略だということです。複数の銘柄に投資をしますが、全ての銘柄で含み益を作る必要はありません。一部の銘柄で大きく含み益を作ったら、残りの多数は含み損。それで構いません。気が付けばポートフォリオ全体で投資額の2倍の評価額となっている。これが理想的な姿です。